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2019/11/22

無期雇用派遣って何?メリット・デメリットと正社員との違いを解説

就職・転職

2013年(平成25年)に「労働契約法」が改正され、「無期労働契約の転換」というルールが決められました。
これにより2018年(平成30年)4月からは、「無期雇用派遣」で働くことができるようになりました。
「無期雇用派遣」とはこれまでの派遣とはどう違うのでしょうか。また、正社員との違いはどこにあるのかも気になります。

ここでは「無期雇用派遣」のしくみについての基礎知識、働き方としてのメリット・デメリットなどを解説していきます。

無期雇用派遣と登録型派遣・正社員との違い

「無期雇用派遣」とは無期労働契約(期間の定めのない労働契約)で働く派遣のことです。

 

遣社員には2種類の契約があります。

一つは、派遣会社に登録をして、有期雇用(期間の定めのある労働契約)で働く「登録型派遣」。そしてもう一つが、「常用型派遣」とも呼ばれる「無期雇用派遣」です。

 

一般に知られている派遣社員は「登録型派遣」ですが、派遣先で働く期間の間だけ派遣会社と雇用関係が生まれます。

その間の給与は派遣会社から支払われ、多くの場合は時給制です。派遣先での労働が更新されず完了すると、次の派遣先が決まるまでの待機期間中には給料がありません。

 

それに対して「無期雇用派遣」は、派遣会社と期間を定めずに雇用契約を結びます。つまり派遣会社の社員の扱いとなり、実際の業務がない間も雇用関係は継続するため、派遣先が決まっていない待機期間中も給料を受け取ることができます。給与は月給制ですが、働く場所は「登録型派遣」と同じく派遣先の企業となります。

 

「無期雇用派遣」は派遣会社が雇用主であるため、派遣先の正社員ではありません。一般的な正社員も無期雇用という点は同じですが、働く場所はいつも自分の企業であり、もちろんその企業から給与が支払われます。

 

「無期雇用派遣」「登録型派遣」とも業務についての指揮・命令権は、給与を支払う派遣会社ではなく、派遣先企業にあります。この点が一般的な正社員との、もっとも大きな違いと言えるでしょう。

 

また正社員は基本的には終身雇用であるため、給与面・各種手当・福利厚生が安定しており、同じ業種を継続できるので長期的なキャリア形成が可能となります。

無期雇用派遣で働くメリット・デメリット

「無期雇用派遣」はどのような働き方なのでしょうか。メリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

メリット
「登録型派遣」と比較したとき、最大のメリットとなるのが待機期間中の収入です。派遣の間が途切れると収入がゼロになる「登録型派遣」とは違い、待機期間中も収入が安定するため安心して生活できます。また、時給制ではなく月給制となっているため、労働日数により給与が上下することはありません。

 

収入が不安定になりがちな「登録型派遣」よりも、年収の試算がしやすくなり、将来にわたる生活設計が可能となることが考えられるでしょう。また「無期雇用派遣」への転換により、福利厚生が充実する可能性が大きくなります。「無期雇用派遣」の派遣先は比較的大規模な企業が多く、企業によっては派遣先の福利厚生の一部を使える場合もあります。

 

「登録型派遣」では交通費の支給がないケースが多く、通勤の関係で派遣先を断念するという話も聞かれます。多少の交通費がある場合でも、給与に含まれる形とされるため、課税対象となっています。

 

「無期雇用派遣」は、正社員と同じく交通費が別途支給になります。非課税の枠となるため、手取り額の面でも有利です。通勤にかかる実費を気にしなくてすむことも、大きなメリットと言えるでしょう。

 

 

デメリット
一方で「無期雇用派遣」は、派遣先の正社員ではありません。そのため、派遣先の企業から途中で仕事を切られる場合もあります。

 

どんなに業務が気に入っていても、その企業でキャリアを永遠に積み重ねられる保証はありません。

また、紹介予定派遣ではないため、将来的に正社員になるという望みも薄くなります。実際、「無期雇用派遣」から派遣先での正社員化の例はそれほど多くはないようです。「無期雇用派遣」を希望するのは自由ですが、派遣会社での試験・面接に通過しなければ採用されません。

 

派遣会社にしても、常時雇用とする人材に対してはそれなりのレベルを求めます。明示している派遣会社はありませんが、多くはキャリア人材育成という観点をもっているため年齢が上がるほど可能性は低くなります。

 

年齢を重ねると派遣の仕事自体が少なくなっていきますが、現状を見ると「無期雇用派遣」をそうした不安を解消するための策と考えるのは無理があります。将来的にはどうなのかわかりませんが、今のところ「無期雇用派遣」の恩恵にあずかれるのは若年層で高水準のスキルの人材ということになります。

 

待機期間にも給与は支払われますが、一般的な正社員のような昇給制度は確立されていません。時給から月給になるとはいえ、派遣社員という身分が変わらない限り、定期昇給は難しいと言えます。

 

「無期雇用派遣」ではひとつの派遣先での労働契約が完了すると、あまり間を置かずに次の仕事が紹介されます。そうした意味では、「登録型派遣」と違って長期の休みが取りにくくなります。また、「登録型派遣」は自分が働きたい企業の案件に応募したり、伝えてある希望にマッチするような派遣先を紹介されたりします。

 

「無期雇用派遣」では派遣会社から派遣先が提示されるため、「登録型派遣」に比べて職場の選択権が狭くなり、自由な働き方がしづらくなると考えられます。

2018年から適用された無期雇用転換について

「登録型派遣」に代表される有期雇用には、そのほかに契約社員やメイト社員、準社員、パート、アルバイトなど数多くの雇用契約の形式があります。

 

2018年4月以降は一定条件を満たしている場合、これらの雇用形態から期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)に転換することができます。これが「無期雇用転換ルール」です。

 

「無期雇用転換ルール」では、先にあげた「有期契約労働者」からの申し込みによって期間の定められていない労働契約(無期労働契約)に転換されます。前提となるのは“同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合”となっているため、契約の状態によって権利の発生の仕方が変わってきます。

 

例えば契約期間が1年である場合では、5回目の更新以降の1年間、無期転換への申し込みの権利が発生します。契約期間が3年のときは、1回目の更新後の3年間に無期転換の申し込みができるようになります。

 

「無期労働契約」を申し込まれた使用者である企業は、これを断ることができません。労働者側は雇止めと言われる突然の契約解除を心配することなく、同じ職場で働き続けられるようになります。

 

ただし、給与や各種手当などの待遇、その他の労働条件については、「無期労働契約」への転換によって改善するという定めはありません。基本的には「有期労働契約」のときの労働条件がそのまま継続することになります。

また、事実上2018年から適用されているこのルールについては、いまだ雇用者側の認知が広まっているとは言えない状況です。

 

そのため、労働者側からは歓迎する声が多数聞かれていますが、実際にルールに乗っ取って申し込みを行っているのは数パーセントにとどまります。また、申し込みはしたけれど受諾されていないというケースも見られます。「無期雇用転換を希望したい」という希望が多く挙げられる中、一般社会への浸透と経営側の理解が求められます。

 

「無期雇用転換ルール」は運用が開始したばかりということもあり、まだ不備な点が数多く見られます。「無期雇用転換ルール」を避けるために、5年を超えない雇用とする傾向が増えることも懸念されます。

 

「無期雇用転換ルール」が労働者を守る一定の機能をもつことは確かですが、労働力として正しく評価され、正当な対価を得られるようになるまでにはかなりの時間がかかりそうです。

無期雇用派遣の良い点・悪い点を理解した判断が必要

「無期雇用転換ルール」が本格始動しましたが、いまだよく理解していないという派遣労働者も多いようです。

 

用が安定し、待機する期間の収入があるのは大きなメリットですが、一方で正社員とはまったく同じではないことや働き方の自由が損なわれる場合があることも理解しておかなければなりません。

 

登録型派遣に比べると、長期的なキャリアをもてる機会はありますが、それを定年まで継続できるという保証はありません。自分のしたい仕事が、無期雇用派遣にマッチするのかどうか、十分に検討しながら申込の実施を決めていきましょう。