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2021/04/02

無期雇用派遣って何?メリット・デメリットと正社員との違いとは?!

就職・転職

2013年(平成25年)に「労働契約法」が改正され、「無期労働契約の転換」というルールが決められました。
これにより2018年(平成30年)4月からは、「無期雇用派遣」で働くことができるようになりました。
「無期雇用派遣」とはこれまでの派遣とはどう違うのでしょうか。また、正社員との違いはどこにあるのかも気になります。

ここでは「無期雇用派遣」のしくみについての基礎知識、働き方としてのメリット・デメリットなどを解説していきます。

そもそも無期雇用派遣って何?

2013年(平成25年)に労働契約法の改正に伴い制定された「無期雇用派遣」。あまりなじみのない言葉のため、「耳にしたことがない」もしくは「聞いたことはあるけれど、どのようなものかわからない」という方は多いのではないでしょうか。

無期雇用派遣とは無期労働契約(期間の定めのない労働契約)で働く派遣のことです。派遣会社との間で労働契約を結ぶため、「派遣会社に雇われている状態」となります。雇用期間は定められていないので、同じ職場で長い間働くことが可能です。

 

派遣の分類とは

派遣社員には2種類の契約があります。ひとつは、派遣会社に登録をして有期雇用(期間の定めのある労働契約)で働く「登録型派遣」です。そしてもうひとつが、「常用型派遣」とも呼ばれる「無期雇用派遣」です。

無期雇用派遣と登録型派遣の違い

無期雇用派遣と登録型派遣の相違点には、主に「仕組み」と「給与の支払われ方」の2つがあります。

 

仕組み

無期雇用派遣では、派遣会社と派遣スタッフの間で期限を設けず雇用契約を結びます。派遣先の会社が未確定の状態であっても派遣会社と雇用契約を結ぶため、先述したように「派遣会社に雇われているかたち」となります。なお、無期雇用派遣は簡単に登録できるものではなく、採用選考に通過して採用されなければなりません。

登録型派遣は、派遣先で働く期間に限り派遣会社と雇用関係が生まれます。つまり、派遣先の会社が決まっていない場合は雇用状態にないということです。なお、登録型派遣には採用選考そのものがないため、登録を行えば派遣先の会社を紹介してもらえます。

 

給与の支払われ方

繰り返しになりますが、無期雇用派遣は派遣会社と期間を決めずに雇用契約を結びます。つまり派遣会社の社員の扱いとなり、実際の業務がない間も雇用関係は継続するため、派遣先が決まっていない待機期間中も月給制で給料を受け取ることができるのです。なお、待機期間中は仕事をしないというわけではなく、無期雇用派遣社員向けの研修に参加したり、派遣会社で仕事をしたりします。

 

登録型派遣の場合、派遣先の企業で働いている間の給与は派遣会社から支払われ、多くの場合は時給制です。派遣先での労働が更新されず完了すると、次の派遣先が決まるまでの待機期間中には給料がありません。

 

 

無期雇用派遣と正社員の違い

 

無期雇用派遣と正社員の違いには、「雇用元」と「ボーナス」の2つがあげられます。

 

無期雇用派遣スタッフが雇用関係を結んでいるのは、派遣会社です。派遣先の企業とは雇用関係を結んでいないため、仮に派遣先企業と派遣会社の契約が満了を迎えた場合は、別の派遣先へと移ることになります。また無期雇用派遣の場合、ボーナスは派遣先からではなく、雇用関係を結んでいる派遣会社から支給されます。ただし、派遣会社によってボーナスの有無は違ってくるため、支給されないケースもあります。

 

一方、正社員は勤務する企業と直接雇用契約を結びます。ボーナスに関しても勤務する企業から支給されるため、賞与規定・福利厚生は勤務先の企業のものに準じます。

無期雇用派遣で働くメリット・デメリット

無期雇用派遣はどのような働き方なのでしょうか。メリット・デメリットは以下のとおりです。

 

メリット
登録型派遣と比較したとき、最大のメリットとなるのが待機期間中の収入です。派遣の間が途切れると収入がゼロになる登録型派遣とは違い、待機期間中も収入が安定するため安心して生活できます。また、時給制ではなく月給制となっている(※注)ため、労働日数により給与が上下することはありません。

さらに、無期雇用派遣には「昇給制度」や「賞与制度」が設けられているのが一般的です。努力すれば収入アップにつなげることができます。

 

無期雇用派遣は、収入が不安定になりがちな登録型派遣よりも、年収の試算がしやすくなり、将来にわたる生活設計が可能となることが考えられるでしょう。また無期雇用派遣への転換により、福利厚生が充実する可能性が大きくなります。無期雇用派遣の派遣先は比較的大規模な企業が多く、企業によっては派遣先の福利厚生の一部を使える場合もあります。

 

登録型派遣では交通費の支給がないケースが多く、通勤の関係で派遣先を断念するという話も聞かれます。多少の交通費がある場合でも、給与に含まれる形とされるため、課税対象となっています。

 

無期雇用派遣は、正社員と同じく交通費が別途支給になります。非課税の枠となるため、手取り額の面でも有利です。通勤にかかる実費を気にしなくてすむことも、大きなメリットと言えるでしょう。

 

このほか、同じ派遣先で働き続けられる可能性があるというメリットもあげられます。

本来であれば、労働者派遣法によって「同じ職場で3年以上勤務してはならない」と義務付けられています。これは、有期契約という安定を保証できない雇用により派遣スタッフが背負うリスクをなるべく少なくするためです。しかし、無期雇用派遣は無期契約で雇われているので、労働者派遣法の対象外になります。つまり、派遣会社と派遣先の企業で契約の満了を迎えない限り、同じ職場で働き続けられる可能性があるのです。同じ企業で長く働き続ければ、キャリアを形成しやすくなります。

 

さらに、無期雇用派遣なら研修・キャリアアドバイスを受けることも可能です。なぜなら、無期雇用派遣を扱っている派遣会社は、「キャリア形成支援制度」を導入するよう定められているからです。派遣会社から研修やサポートを受けることによって、キャリアアップしやすくなります。

 

※注)一般的な給与形態ですが、就業先により時給制の場合があります。

 

デメリット
一方で無期雇用派遣は、派遣先の正社員ではありません。そのため、派遣先の企業から途中で仕事を切られる場合もあります。

 

どんなに業務が気に入っていても、その企業でキャリアを永遠に積み重ねられる保証はありません。

また、紹介予定派遣ではないため、将来的に正社員になるという望みも薄くなります。実際、無期雇用派遣から派遣先での正社員化の例はそれほど多くはないようです。無期雇用派遣を希望するのは自由ですが、派遣会社での試験・面接に通過しなければ採用されません。

 

派遣会社にしても、常時雇用とする人材に対してはそれなりのレベルを求めます。明示している派遣会社はありませんが、多くはキャリア人材育成という観点をもっているため年齢が上がるほど可能性は低くなります。

 

年齢を重ねると派遣の仕事自体が少なくなっていきますが、現状を見ると無期雇用派遣をそうした不安を解消するための策と考えるのは無理があります。将来的にはどうなのかわかりませんが、今のところ無期雇用派遣の恩恵にあずかれるのは若年層で高水準のスキルの人材ということになります。

 

無期雇用派遣の場合、待機期間にも給与は支払われますが、一般的な正社員のような昇給制度は確立されていません。時給から月給になるとはいえ、派遣社員という身分が変わらない限り、定期昇給は難しいと言えます。

しかし上述したように、昇給制度を取り入れている派遣会社も多くあります。そのため、昇給制度のある派遣会社に勤務すれば、一概にデメリットとは言い切れません。

 

無期雇用派遣ではひとつの派遣先での労働契約が完了すると、あまり間を置かずに次の仕事が紹介されます。そうした意味では、登録型派遣と違って長期の休みが取りにくくなります。

そのため、「長期休暇を取って旅行したい」「趣味の時間に費やしたい」という方には、無期雇用派遣の仕組みは合わないかもしれません。

 

また、登録型派遣は自分が働きたい企業の案件に応募したり、伝えてある希望にマッチするような派遣先を紹介されたりします。

 

無期雇用派遣では派遣会社から派遣先が提示されるため、登録型派遣に比べて職場の選択権が狭くなり、自由な働き方がしづらくなると考えられます。

 

場合によっては、短いスパンでさまざまな会社に派遣される可能性もあるので、「業務に慣れてきたころに次の職場へ」ということもあり得るのです。

こうした点から、新しい業務と環境に早く慣れるよう努力をしていく必要があることもデメリットと言えます。とはいえ、いろいろな職場を経験することは、自分の業務レベルを高めることにつながります。そのため、考え方次第ではメリットにもなり得るかもしれません。

無期雇用派遣に転換する条件とは

無期雇用派遣に転換する条件は、主に3つです。

 

1.有期雇用契約を結んだ期間(通算)が5年を超えている

2.これまでに1回以上、契約を更新している

3.現時点において、同一の派遣元と契約を結んでいる

 

これら3つの条件をクリアしている方であれば、申し込みをすることで無期雇用派遣に転換することができます。自動で転換されるわけではないので、条件を確認したのち忘れず申し込むようにしましょう。

無期雇用派遣は2018年から適用された

登録型派遣に代表される有期雇用には、そのほかに契約社員やメイト社員、準社員、パート、アルバイトなど数多くの雇用契約の形式があります。

 

2018年4月以降は一定条件を満たしている場合、これらの雇用形態から期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)に転換することができます。これが「無期雇用転換ルール」です。

 

無期雇用転換ルールが注目を集めるようになった背景には、主に2013年4月に施行された「改正労働契約法」が関係しています。これは、同一の職場で5年以上働いている労働者に対し、「希望すれば無期雇用へと転換できる」という規定を定めたもの。つまり、2013年4月から数えて5年以上同一の職場で働き続けた方は、2018年より「無期雇用派遣」に転換できるようになったのです。これにより、無期雇用転換ルール(無期雇用派遣)はさらに注目を集めるようになりました。

 

無期雇用転換ルールでは、先にあげた「有期契約労働者」からの申し込みによって期間の定められていない労働契約(無期労働契約)に転換されます。前提となるのは先述した“同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合”となっているため、契約の状態によって権利の発生の仕方が変わってきます。

 

例えば契約期間が1年である場合では、5回目の更新以降の1年間、無期転換への申し込みの権利が発生します。契約期間が3年のときは、1回目の更新後の3年間に無期転換の申し込みができるようになります。

 

無期労働契約を申し込まれた使用者である企業は、これを断ることができません。労働者側は雇止めと言われる突然の契約解除を心配することなく、同じ職場で働き続けられるようになります。

 

ただし、給与や各種手当などの待遇、その他の労働条件については、無期労働契約への転換によって改善するという定めはありません。基本的には有期労働契約のときの労働条件がそのまま継続することになります。

また、事実上2018年から適用されているこのルールについては、いまだ雇用者側の認知が広まっているとは言えない状況です。

 

そのため、労働者側からは歓迎する声が多数聞かれていますが、実際にルールに乗っ取って申し込みを行っているのは数パーセントにとどまります。また、申し込みはしたけれど受諾されていないというケースも見られます。「無期雇用転換を希望したい」という希望が多く挙げられる中、一般社会への浸透と経営側の理解が求められます。

 

無期雇用転換ルールは運用が開始したばかりということもあり、まだ不備な点が数多く見られます。無期雇用転換ルールを避けるために、5年を超えない雇用とする傾向が増えることも懸念されます。

 

無期雇用転換ルールが労働者を守る一定の機能をもつことは確かですが、労働力として正しく評価され、正当な対価を得られるようになるまでにはかなりの時間がかかりそうです。

無期雇用派遣の良い点・悪い点を理解した判断が必要

無期雇用転換ルールが本格始動しましたが、いまだよく理解していないという派遣労働者も多いようです。

 

用が安定し、待機する期間の収入があるのは大きなメリットですが、一方で正社員とはまったく同じではないことや働き方の自由が損なわれる場合があることも理解しておかなければなりません。

 

登録型派遣に比べると、長期的なキャリアをもてる機会はありますが、それを定年まで継続できるという保証はありません。自分のしたい仕事が、無期雇用派遣にマッチするのかどうか、十分に検討しながら申込の実施を決めていきましょう。

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