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フォークリフトの免許・資格の種類|履歴書にはどう書く?国家資格なのに難しくない?
フォークリフトは、工場や倉庫など、さまざまな現場で幅広く利用されている自走式搬送車です。重い荷物をフォークリフトで運搬することで、作業工程の効率化が図られています。 多くの現場にて欠かせない機材であるフォークリフトですが、工場や倉庫での荷役作業で運転するには資格が必要になります。普通自動車免許などだけでは、フォークリフトによる荷役作業に従事することはできません。 本記事では、フォークリフトの種類について確認したうえで、運転するために必要となる資格について、わかりやすく紹介していきます。
フォークリフトの種類
フォークリフトは、荷物を積むためのフォークなどの装置の昇降を担うマストを備えた、荷役用の自走式搬送車です。工場や倉庫、港、貨物ターミナル、建設現場など、さまざまな場所で荷物の運搬に用いられています。
フォークリフトには多様な種類があり、使用する場所や運搬する荷物に適したタイプが用いられています。
カウンタバランスフォークリフト | ●前方にフォーク、後方に重りを設置
●座って操縦するタイプ ●小回りが利きやすく、バランスをとりやすい |
---|---|
リーチフォークリフト | ●前方にフォークがあり、立って操縦するタイプ
●機動性が高く、狭い場所でも作業しやすい ●安定性にやや欠ける |
サイドフォークリフト | ●側面にフォークが備えられている
●長いものを運ぶのに適している |
オーダーピッキングトラック | ●荷台とともに運転台が昇降するタイプ
●狭い場所で高い位置の荷物の出し入れに向いている |
ウォーキーフォークリフト | ●運転席がなく、歩いて操作を行う非乗車型
●天井が低い場所や狭い場所での作業に向いている ●歩きながらの操作になるため、走行速度は遅い |
マルチディレクショナルフォークリフト | ●前後・左右に移動できるタイプ
●移動がしやすく狭い場所の作業にも向いている |
これらのフォークリフトのそれぞれの特徴について、詳しくみていきます。
カウンタバランスフォークリフト:もっとも一般的なフォークリフト
カウンタバランスフォークリフトは「カウンターフォークリフト」とも呼ばれる、もっとも一般的なフォークリフトです。車体の前方にフォーク、後方に重りを設置し、荷物を載せたときにバランスが取りやすいように設計されています。座って運転するタイプで、タイヤが70度以上回るなど小回りが利くことがメリットです。
カウンターフォークリフトは、工場や倉庫など屋内外のさまざまな作業現場で活躍しています。初心者でも運転しやすいことも特徴です。
リーチフォークリフト:立って操縦するタイプで機動性が高い
リーチフォークリフトは、車体の前方にフォークがある、立って操縦するタイプのフォークリフトです。タイヤが90度以上回るなど、カウンタバランスフォークリフトよりもさらに機動性が高いことが特徴になります。
フォークは前後に動かせ、引き込んだ状態で走行することから、狭いところでも作業しやすい点もメリットです。その一方で安定性にやや欠けるため、荷物を高く上げたときやスピードを出して曲がろうとしたときに、バランスを崩して転倒してしまうおそれがあります。
リーチフォークリフトは小規模な工場や倉庫で利用されることが多いです。
サイドフォークリフト:木材や鉄パイプなど長尺荷物の運搬に向いている
サイドフォークリフトは車体の側面にフォークが備えられたタイプです。鉄パイプや木材など、長さのある荷物を運ぶのに向いていることから、林業や建設関係の工場、工事現場などで主に使われています。アルミサッシやカーペットなどの運搬にも適しており、多くの業種で利用されています。
なお、運転席が高い位置にあるため、運転に慣れるまではフォークの位置がわかりにくいと感じることがあります。
オーダーピッキングトラック:倉庫など高所を含むピッキング作業に向いている
オーダーピッキングトラックは「ピッキングフォークリフト」とも呼ばれ、荷台とともに運転台も昇降するタイプのフォークリフトです。高い位置の荷物を出し入れする作業に適しており、天井高のある倉庫などでのピッキングや収納作業で主に使われています。
オーダーピッキングトラックもリーチフォークリフトと同様に、バランスを崩さないように注意が求められます。
ウォーキーフォークリフト:乗車型フォークリフトでは入れない狭いスペースでも活躍
ウォーキーフォークリフトは運転席のない非乗車型のリフトで、運転者は歩いて移動することが特徴です。コンパクトなため、一般的なフォークリフトでは入れない狭い倉庫スペースなどでの作業も可能で、エレベーターに乗って移動することもできます。
天井が低い場所での作業にも向いており、主に走行距離が短い場合や比較的軽量な荷物の運搬に用いられています。ただし、歩きながらの操作となるため、走行速度は遅いです。
マルチディレクショナルフォークリフト:前後左右に移動できる機動力で狭所作業を効率化
マルチディレクショナルフォークリフトは前後だけではなく、左右にも移動できることが特徴です。左右へ移動するときにも切り返す必要がなく、移動がしやすい機動力の高さから、倉庫作業など狭い場所での利用に適しています。
フォークリフトの免許・資格の種類と取得難易度・費用
フォークリフトの運転や操作には、大きく2つに大別される資格が求められます。
1つ目は、フォークリフトで公道を走るための免許です。道路交通法にもとづき「小型特殊自動車」に該当するフォークリフトの公道での運転には、普通自動車免許や小型特殊自動車免許などが必要となり、「大型特殊自動車」に該当するフォークリフトになると大型特殊自動車免許の取得が求められます。
なお、公道を走れるのは自動車登録を行いナンバープレートがつけられたフォークリフトに限定されます。荷物を載せた状態で走行することはできません。
2つ目は工場や倉庫などの構内でフォークリフトを操作するための運転資格です。上記で挙げた運転免許を持っていても、フォークリフトによる荷役作業には、安全衛生法にもとづく資格が必要になります。
一般的に「フォークリフトの資格」と呼ばれるものはこちらが該当します。なお、講習の受講などを通じてほぼ取得できるため、難易度は高くありません。
フォークリフトに関する具体的な資格には以下が挙げられます。
●フォークリフト運転技能講習
●フォークリフト特別教育
●フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育
フォークリフトの運転資格は、最大積載荷重の違いから2種類が設けられています。フォークリフト運転技能講習は最大積載荷重1トン以上のフォークリフト、フォークリフト特別教育は最大積載荷重1トン未満のフォークリフトを操作するための資格です。
また、フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、運転技能講習を修了して、おおむね5年ごとに受講が推奨されています。
この3つの資格について、詳しく紹介していきます。
フォークリフト運転技能講習
フォークリフト運転技能講習は、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトの運転に必要な資格です。フォークリフト運転技能講習を修了すると技能講習修了証が交付され、これがフォークリフトの免許と呼ばれています。
フォークリフト運転技能講習を修了するには、学科11時間、実技24時間、合計35時間の講習の受講と、それぞれ受講後に実施される試験への合格が必要です。通常、5日間の日程で行われます。
フォークリフト運転技能講習のカリキュラム
<学科>
●荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:4時間
●走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:4時間
●運転に必要な力学に関する知識:2時間
●関係法令:1時間
<実技>
●走行の操作:20時間
●荷役の操作:4時間
ただし、後述するように道路交通法にもとづく運転免許の保有やフォークリフト特別教育の修了などによって、一部免除が受けられるケースがあります。
また、合格するには学科は各科目で4割以上、全科目を通して6割以上の正答が必要であり、実技は減点方式で100点中70点以上が基準となっています。なお合格率は95%程度とされており、講習の内容を理解できていれば十分に合格できる難易度といえるでしょう。
フォークリフト運転技能講習は厚生労働大臣が指定する機関である教習所で行われています。受講費用は地域や教習所によって差があり、3万円~5万円程度です。
正式名称 | フォークリフト運転技能講習 |
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種別 | 国家資格 |
最大積載荷重量 | 1トン以上 |
講習時間/取得日数 | 学科11時間、実技24時間/5日間 |
取得費用 | 3万円~5万円程度 |
フォークリフト特別教育
最大積載荷重1トン未満のフォークリフトであれば、「フオークリフトの運転の業務に係る特別教育」の修了によって運転できるようになります。この特別教育は「フォークリフト特別教育」と呼ばれることが多いです。
フォークリフト特別教育は学科6時間、実技6時間、合計12時間の講習が実施され、修了証が交付されます。通常、2日間で実施されます。
フォークリフト特別教育のカリキュラム
<学科>
●荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:2時間
●走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:2時間
●運転に必要な力学に関する知識:1時間
●関係法令:1時間
<実技>
●走行の操作:4時間
●荷役の操作:2時間
フォークリフト特別教育も、フォークリフト運転技能講習と同様に教習所で実施されています。受講費用は1万5,000円~2万円程度が相場です。
正式名称 | フオークリフトの運転の業務に係る特別教育 |
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種別 | 国家資格 |
最大積載荷重量 | 1トン未満 |
講習時間/取得日数 | 学科6時間、実技6時間/2日間 |
取得費用 | 1万5,000円~2万円程度 |
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育
労働安全衛生法第60条の2では、労働者の就業に当たっての措置として、以下の規定が設けられています。
事業者は、前二条に定めるもののほか、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない
そこで、事業者に対して、フォークリフト運転技能講習を修了後、おおむね5年経過した人などを対象として実施するよう努めるよう、厚生労働省より通達されているのが、「フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育」です。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、6時間の講習が通常1日で実施されています。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育のカリキュラム
●最近のフォークリフトの特徴:2時間
●フォークリフトの取扱いと保守:2時間
●災害事例及び関係法令:2時間
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育の受講費用も教習所によって異なりますが、おおむね1万円前後です。
正式名称 | フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育 |
---|---|
対象 | フォークリフト運転技能講習の修了者(おおむね5年以上経過) |
講習時間/日数 | 6時間/1日 |
取得費用 | 1万円前後 |
免除制度を受けられるケース
フォークリフト運転技能講習は、所有している運転免許やフォークリフト特別教育の修了後の実務経験に応じた免除制度が設けられています。該当する場合は、学科や実技の一部が免除となります。
フォークリフト運転技能講習の免除の対象者と講習時間・免除科目
<講習時間:11時間/免除科目:走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識・走行の操作>
●大型特殊免許(カタピラ限定を除く)を所有している人
●普通・準中型・中型・大型・大型特殊(限定あり)のいずれかの免許を所有し、フォークリフト特別教育を修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が3ヶ月以上ある人
<講習時間:15時間/免除科目:走行の操作>
●フォークリフト特別教育の修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以上ある人
<講習時間:31時間/免除科目:走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識>
●普通・準中型・中型・大型・大型特殊(限定あり)のいずれかの免許を所有している人
なお、フォークリフト特別教育には免除制度は設けられていません。
フォークリフトの資格は就職に有利にはたらく?
フォークリフトの資格は、物流業界や製造業界、建設現場、産業廃棄物処理関連のほか、空港、港湾ターミナルなど、さまざまな業種業界の求人で高い需要があります。フォークリフトを取り扱う仕事は求人数も多いため、豊富な選択肢を持つことも可能です。特に、フォークリフト運転技能講習と普通自動車免許を所有している人のニーズが高くなっています。
また、フォークリフトの運転の資格を所有していると、採用の際に待遇面で有利になるケースや資格手当が支給されるケースも見られます。
フォークリフトの資格の履歴書への書き方
フォークリフトの資格は、就職や転職の際に履歴書に書くことができるものです。
しかし、「特別教育」や「講習」という位置づけから、書き方に戸惑うかもしれません。フォークリフトの資格は、履歴書に「フォークリフト運転技能講習 修了」「フォークリフト運転特別教育 修了」などと記載しましょう。