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ESに悩む学生が、ラッパー・あっこゴリラさんに「他己PR」を書いてもらったら?
ES(エントリーシート)には欠かせない「自己PR」。書くことなんて見つからない! と投げ出したくても、自分と向き合って言葉を絞り出し、なんとかして書き上げなければいけません。“もしも、誰かが自分の魅力を引き出して、代わりに書いてくれたらいいのに……” そんな願いを叶えるため、さまざまな分野のスペシャリストが、就活生の代わりに「自己PR」ならぬ「他己PR」を書いてくれる本連載。 第3回は、ラッパーとして活動し、過去に数多くのお悩み相談にも応えてきた、あっこゴリラさんが登場。果たして、どんな他己PRを書き上げてくれるのでしょうか?
あっこゴリラさん
ドラマーとしてキャリアスタートし、バンド解散後、2015年よりラッパーに転身。2017年CINDERELLA MC BATTLEで優勝。2018年、美や性や生の多様性をテーマにした1stアルバム『GRRRLISM』発表。2019年よりJ-WAVE『SONAR MUSIC』メインナビゲーター就任。独立し、2022年合同会社ゴリちゃんカンパニー設立。人気アニメ『かぐや様は告らせたい』第5話EDに楽曲提供するなど精力的に活動中。2022年「マグマシリーズ」始動。ゴリラの由来はノリ。
Webサイト:https://lit.link/akkoakkogorilla
Twitter:@akko_happy_b
Instagram:akkogorilla
あっこゴリラさんに聞く「自分と向き合うこと」の大切さ
まずはあっこゴリラさんに、就職活動や自己PRについての考えを聞いてみました。
将来が不安で、極端なことばかりしていた
——あっこゴリラさんからは、現在の就活やそれに臨む学生の姿はどのように見えていますか?
あっこゴリラさん(以下、あっこ):毎日自分をアピールして、良いだの悪いだの言われて、病むだろうなと思います。同世代の友達もみんな病んでいたイメージです。将来どうしようか悩む時期ですし。
——あっこゴリラさんも病んでいましたか?
あっこ:周りが就活してるくらいの時期はめちゃくちゃやばかったです。私は極端だし行動派の人間なので、過激なことをやりがちでした。服を全部捨てて、坊主頭にして、友達の連絡先を全部消したりして。
——なぜそんなことを……?
あっこ:たぶん、将来が不安だったんだと思います。何かをしたいという気持ちはすごくあるんだけれど、何をしたらいいのかわからないし、素直に「わからない」と自分の弱さを出すこともできなくて。
——そのしんどかった時期は、どうやって抜けたんですか?
あっこ:抜けてはいないけれど、専門学校に入ってバンドを組んで、ドラムで初めてステージに上がったのは大きなきっかけになりました。そのステージで私、超暴れちゃったんです。めちゃくちゃドラム叩きまくって。そのとき「自分になれた」感じがしたんです。
——自分を解放できる場所がそこにあったと。
あっこ:恥ずかしくて愚かしくて、でも他の誰でもない私だった。そんなふうに感じられたことはそれまで一度もなかったんです。あれがもしかしたら人生でいちばん大きい経験だったかもしれない。
自分だけの“ものさし”を持つために
——その後、バンドでドラマーとしてメジャーデビューし、紆余曲折を経てラッパーになり、いまや社会派として認知されるようになりました。自身をPRするときに気をつけていることはありますか?
あっこ:結論から言うと、私はPRしていないし、最初からそういうことを意識せずに活動するタイプなんです。自分のことを社会派ラッパーだとも思っていません。
社会のことを歌ったら社会派ラッパーと言われるし、日常の小さいことを歌ったらギャグラッパーと言われるけれど、それってただラベルを貼っているだけなんですよね。私はこの時代に生きて、自分を解放して、リアルを表現しているだけなので。
——アーティストとしてのブランディングを考えることもないですか?
あっこ:まったく考えていないです。やりたいからやる、やりたくないからやらない。ただし、「やりたいことをやる」ために「やりたくないこともやる」ことはありますよね。そうなったときにどっちを選ぶか、その“ものさし”は自分でつくるしかないんですよ。
20歳前後はそのものさしができていない人が多いだろうし、そのくせ、できているように見せたくなってしまう年頃だから、いちばん難しい時期だとは思います。
——どうやったら、その“ものさし”はできるのでしょうか?
あっこ:自分と向き合って自問自答し続けるしかないので、「がんばれ」としか言えないんですよね。ただ、それをサボると、誰かのものさしを使って生きていくことになります。自分との向き合いは死ぬまで続くので、しんどいかもしれないけれど、毎日積み重ねるしかないと思います。
自己PRに悩む大学生
今回あっこゴリラさんに「他己PR」を書いてもらうのは、こちらの大学生。
浜口昇太さん 〈仮名〉
大学4年生。東京都出身。専攻は経済学。小学生から中学生までを海外で過ごす。TOIEC900点以上。
——今日はあっこゴリラさんに、浜口さんの魅力を引き出してもらいます。浜口さんには、事前に自己PRを書いてきてもらいました。
あっこ:なるほどね、レベル高いじゃん……ハキハキ系なのかな? 逆に「何に悩んでんの?」って感じがする。
ただ、「自分はこんなにできる」とアピールする人ほど危ういと感じています。私もかつてはそうだったんだけど。もうちょっと弱みやダメなところが見たい気がしますね。大事なのは、「信頼できるかどうか」ですから。
やりたかったけどやらなかった“くすぶり”と、どう付き合う?
ここからは、あっこゴリラさんがインタビュアーとなって、本人も気づいていない浜口さんの魅力を掘り下げていきます。
あっこ:浜口さん、よろしくお願いします。自己PR読んでみたんだけど、「何に悩んでるの?」と思っちゃった。
浜口さん(以下、浜口):実は、自分のアピールが苦手なんです。
あっこ:えっ? めちゃくちゃアピールしてるじゃん!(浜口さんが書いた自己PRを指しながら)
浜口:それは就活用に用意した無難なテンプレートなので……(笑) 考えてみると、本当は大学生活でやりたかったことが結構あったなと感じていて。
あっこ:何やりたかったの?
浜口:それこそ音楽とか。バンドがすごい好きで「ギター弾きたいな」と思ってたんですけど、高校の時は部活と勉強で時間がなくて。大学入ったらやろうと思ってたけど、なんとなくやらないまま今に至っています。
あっこ:他にやりたいことある?
浜口:もっと海外旅行に行きたいです。先日、思い立って4日間くらいベトナムに行ってきました。どこでもいいからとりあえず行こうと思ったら、ベトナム行きの飛行機が安くて。
あっこ:そうやって衝動的に行動することもあるの?
浜口:あっても、ある程度のところでストッパーをかけてしまう気がします。本当は、ひとりで1ヶ月くらい旅してみたいと思うんですけど、いろんな理由をつけてできてないという。
あっこ:なるほどね。他にもある?
浜口:最近、友達が学生起業したと聞いて、漠然とだけど「社長になりたいな」と思いました。だからといって何かをしているわけでもなく。行動できる人ってすごいなと。なんて言うか……もっと本能的にというか、心から行動できるのっていいなと思います。
体裁を気にしてもいい。自分の「くすぶり」を大切に
あっこ:浜口さんは、本当はちょっと前のめり系なんだね。私もそっちのタイプだけど、たぶん浜口さんよりネジが外れちゃってるから、考える前に「やっちゃえー」ってなる。
浜口:そういうのがすごく羨ましいなと思うんです。
あっこ:何かをやろうとしても「いや、でもこれダサいかな」とか思ったり、失敗するのを気にしたりしちゃうのかな。
浜口:そうですね。体裁を気にしてしまいます。「どうせ親とか周りに何か言われるだろうな」って。ぶっ飛んだことをしたいとは思ってるけれど、そもそも何をすればいいのかわからないというか。
あっこ:わかる、わかるよ……そうだよね。音楽の場合だと、そうやって体裁を気にしちゃう人だからこそ書ける曲ってあるんだけどね。一般的な感覚を持っているからこそコントラストが出せたりする。だから、ぶっ飛んだことをする上で、その感覚は悪くないと思う。
浜口:そうなんですかね……!
あっこ:浜口さん、今後何かやるだろうね。というのも、「やりたかったけどやらなかった」という“くすぶり”って、簡単には消えないの。このくすぶりを殺していくのか、うまいこと飼い慣らして活かしていくのかは、人によって違うんだけど。話を聞いた感じだと、浜口さんの場合はこの子(くすぶり)がすごく大事な気がする。
あっこ:……うん、実際に話してみて、だいぶ印象変わりました。
完成!あっこゴリラさん流「他己PR」
こうして、浜口さんへのインタビューが無事終了。ここからはあっこゴリラさんに、浜口さんの「他己PR」を書いてもらいます。
ルールは2つ。「字数は500字以内※」「浜口さんになりきったつもりで書く」。これさえ守れば、書式は一切問いません。
果たしてあっこゴリラさんは、どんな他己PRを完成させたのでしょうか?
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あっこゴリラさん作・浜口さんの「他己PR」
あっこゴリラさんは、インタビューで得られたいくつものエピソードを短いリリックに詰め込んで、ラップにしてくれました。「曝け出すメモリアル」という言葉から始まるように、浜口さんが抱える葛藤や温度感まで盛り込み、しっかり自己PRするだけでなく、自分自身を奮い立たせるような力強い内容になっています。
あっこ:何かをやるのは、今じゃなくて社会人になってからでもいいんじゃないかと思いました。実は私も、ラップ始めたのは27歳。30歳過ぎていきなり「やべえ、やりてえ!」って行動する人もいるから。
浜口さんがどこかで上手に爆発できるといいけど、簡単には爆発できないのもリアルでとっても素敵だと思います。
「他己PR」を読んでみて……
浜口:自分では思い付かない、新しい自分の魅せ方や表現を学べたなと感じました。また、言葉の使い方が巧みでとても勉強になりました。他己分析の重要性を知ることができました。今回はありがとうございました。
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今回あっこゴリラさんに書いてもらった「他己PR」はあくまでも一つの作品ですが、就活に生かせるヒントが詰まっているはず。自己PRの執筆に行き詰まった時には、参考になるかも?
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(企画:株式会社ライスカレー / 編集:株式会社エクスライト / 取材・執筆: 山田宗太朗 / 写真撮影:山﨑悠次)