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2021/10/27

就活生応援Interview“あの人の履歴書” vol.2 天才お笑い芸人・野田クリスタルの“スキサガシ” 「得意なことを好きに変える」

就職・転職

「やりたい仕事が見つからない」と悩んでいる就活生達に向けて、自分だけの「好き」を見つける“スキサガシ”を応援するインタビュー企画。第二弾となる今回は天才芸人の呼び声高いマヂカルラブリーの野田クリスタルさん。 10代から始まった芸人人生を振り返りながら、これまでの苦悩、そして「好き」と「仕事の」関係と、赤裸々に語ってくれました。

おもしろくなりたい小学生からおもしろい高校生へ

横を向いている野田クリスタル

 

野田クリスタル

1986年生まれ。吉本興業東京所属のお笑いコンビ「マヂカルラブリー」のボケ担当。15歳の時に大人気バラエティ番組「学校へ行こう!」(TBS)の「お笑いインターハイ」で優勝。2007年に相方の村上と「マヂカルラブリー」を結成。2020年、『M-1グランプリ』で優勝。またピン芸人としても活躍しており、2020年、『R-1ぐらんぷり』で王者となり二冠を達成している。

Twitter:@nodacry

YouTubeチャンネル:野田クリスタル【野田ゲー】

 

 

取材を受けている野田クリスタル

 

────神奈川県で、父親が公務員の家庭に三人兄弟の末っ子として生まれた野田クリスタルさん。物心がついたときには松本人志さんに憧れて、芸人を目指していたそうです。

 

野田「将来は芸人になるんだろうな」と思って過ごしてました。父親のようにちゃんと働く将来に、現実味がなかったんですよね。小学校の卒業文集にも「芸人になりたい」って書いてましたし。バンドに憧れた人がコピーバンドをやるように、バラエティ番組の見様見真似でコントを何本も書いてました。お笑い芸人に死ぬほど憧れてたんでしょうね。

 

野田さんコメント

 

小学生の頃から『野田はつまらない』『野田よりあいつの方がおもしろい』って言われると、異常に頭がカーっとなったんです。何があったわけでもなく、本能としかいいようがない。他のことなら何をけなされようがどうでもいいんですけど、おもしろさだけは譲れなかった。おもしろいと思われることが、自分の価値のすべてでしたね。

 

お笑い芸人になりたい気持ちが溜まりに溜まっていたので、義務教育が終わったら進学しないで、NSC(吉本の養成所)に通うつもりだったんです。NSCに「願書希望」というタイトルでメールを出したら、『なんですか、この乱暴な文章は!』って返事がきて、『怖…! よしもと怖!』と(笑)。学費の40万円もなかったので、NSCは一旦止めて高校へ行き、とりあえずバイトで学費を貯めることにしました」

 

────そして野田さんが高校一年生の時、ある転機が訪れます。同級生と組んだ「セールスコント」というお笑いコンビで、バラエティTV番組『学校へ行こう!』(TBS)の「お笑いインターハイ」に出場し、見事優勝。ここからプロの芸人としての道がスタートしたといいます。

 

野田「当時全盛だった(モーニング娘の)辻ちゃんと加護ちゃんに会いたい!  一秒でも早く会って、他のファンと一線を画したい! という気持ちだけで、『学校へ行こう!』に応募しました。まだ会えてないですけど。

 

動機は不純でしたが、この番組をきっかけに吉本に所属できて、どんどん話がふくらんでいきましたね。あれをきっかけに、自分が天才だと勘違いしてしまって。文化祭でももみくちゃにされるは、ストーカーに付きまとわれるわ、ヤンキーに囲まれるわ……めちゃめちゃモテました(笑)」

2014年、野田クリスタル誕生!?

取材を受ける野田クリスタル

 

────自他共に認める天才芸人としてスタートダッシュに成功した野田さんは、「セールスコント」を解散後、インターネットの掲示板で出会った相方とお笑いコンビ「役満」を結成します。しかし高校生活、芸人活動、アルバイトの日々に、野田さんは次第に消耗していったといいます。

 

野田「この高校時代が一番きつかったですね。メンタルも体力も。『役満』で吉本のオーディションに受かって、ライブに出始めた頃は調子がよかったんですけど、一気に調子が悪くなって。

 

ライブのランキングバトルではずっと最下位。ライブって、チケットのノルマがあるんですよ。売れない分は自腹なので、月に1〜2万円が消えていく。交通費も必要ですし。高校生にその金額はけっこう至難の業ですよ。

 

『学校へ行こう!』での優勝と、死ぬほどバイトしたのに手元に1円も残らず最下位を獲ってるだけの人生との落差にびっくりしてました。

 

今思えばやや鬱になってたのか、高3で玄関から立ち上がれなくなった日があったんです。当時組んでいた相方も怖かったし、ネタ合わせもライブもなにもかも憂鬱でした」

 

────しかし、その憂鬱は、2007年、22歳のときに、当時大学お笑いサークル界のスターだった村上さんに誘われて、「マヂカルラブリー」を結成することで解消。

 

そこからブレイクまでに13年を要する中で、野田さんは「2014年が分岐点でした」と振り返ります。

 

野田クリスタルのコメント

 

野田「それまでは、『絶対、まっちゃんになってやる!』と、ガツガツ前に進めていたのが、賞レースの結果が出なくなって、突然疲れ切った日があったんです。ふと、苦痛で長い道のりのイメージが脳内にパッと浮かんで、心底ゾッとしました。

 

僕の中には、そもそも芸人を辞めるという選択肢はありません。かといって死ぬわけにもいかないので、本当に『あっ、人生詰んだわ……』って思いましたね。でもその瞬間に、『詰んでるって思うぐらいならまだやりようがあるだろう』とも思えたので、イチから仕切り直しました。

 

取材を受ける野田クリスタル

 

『そんなに売れないのか?』『そんなに売れないことはないだろう』『じゃあ売れるためにはどうしたらいいだろう?』と自問自答の日々。毎日、必死になって考えて、あれこれ手を出して、そうして残ったのがゲームと筋トレです。当時は『バスケでもウエイトリフティングでも、オリンピックに出て有名になれば売れるきっかけになるかな』とか、『総理大臣になったら売れるよな』とか、そこまで考えてましたね」

 

取材を受ける野田クリスタル

 

野田「漫画の『ONE PIECE』ですごくいいシーンがあるんです。主人公のルフィが、義兄のエースが殺されてパニックになって泣きじゃくってると、ジンベエってヤツが『お前に何が残ってるか探せ!』と問いかけるんです。ルフィの答えは「仲間がいるよ!!!!」。この濁点の「る」がすごい好きで。

 

人は自分に残っているものを探しているときが一番強いんですよね。詰んでるなってときに、「あと何ができんだろう」って探してたとき、ルフィの感情にマジで共感しました。まあ、僕は仲間はずっとゼロですけど……。あっ、村上は仲間じゃないです(笑)。

 

────その後、独学でプログラミングを学んで開発した自作のコンピュータゲーム『野田ゲー』はニンテンドースイッチ向けのゲーム『スーパー野田ゲーPARTY』となり、松本人志さんに追随して始めた筋トレは『クリスタルジム』に繋がるなど、ビジネスの形になりました。マヂカルラブリーとしても、「M-1グランプリ2020」で見事チャンピオンの座に輝きます。

 

クリスタルジム内観

クリスタルジムの室内。

 

野田ゲーPARTY

野田クリスタルさんが作ったゲーム16作品が詰め込まれた「スーパー野田ゲーPARTY」。©吉本興業

辞めるという発想がない。だからつらい。

椅子に腰掛けている野田クリスタル

 

────現在に至るまで、野田さんはどんなにつらいときでも「芸人を辞めよう」と思ったことが一度もないと言います。地下の劇場に閉じ込められていたときも、舞台で滑り続けていたときも、ライブのお客さんから回収したアンケートに散々ひどいことを書かれたときも、大宮の劇場に左遷されたときも……。

 

野田「これ、なかなか伝わらないと思うんですけど、本人に「辞める」という発想も選択肢もないから、ずっと追い込まれている状態なんです。僕もめっちゃしんどかったんですけど、辞める辞めないの話ではなかったんですよね。

 

ジョギングみたいに自分の意志でどうこうなることじゃないというか。そんなときは、「見返してやる」という気持ちが原動力でしたね。なんなら8割くらい。残りの2割は、「働きたくない」という気持ちだったと思います」

 

階段に寝そべる野田クリスタル

 

────野田さんを見ていると、好きを仕事にすることには、喜びと苦しさの両方がつきまとうのだなと考えさせられます。

 

野田クリスタルコメント

 

野田「好きなことを仕事にすると、種目が変わるんですよ。ゲームがまさにそうで、ゲームが好きな人って山程いるけれど、仕事になった瞬間にゲームがゲームじゃなくなるんですよね。楽しむんじゃなくて、勝つためのプレイになってくる。もう別のゲーム、作業が変わる。

 

好きから入ると、相当その世界に詳しくない限りは、たいがいズレる。逆に得意だったらどんどん好きになるかもしれない。得意なことがわかってるなら、それを仕事にしないのは損だと思います。人間関係も浅い人とのほうが一緒にいて楽だし、楽しかったりしますもんね。好きすぎると辛くなる。

 

でも、どんな形であれ「好き」っていうのは大事かもしれないです。さっきも言ったように、種目が変わっても「好き」って言えてたら強いかもしんないっすねえ。それこそ、本が好きで出版社に入って、自分のやりたい業務じゃない場所に配属されても「本が好きです」って言えてたら最強ですよね。皆そうなってたらいいですよね」

 

階段に寝そべっている野田クリスタルのアップ

 

逆に、「好きなことがない」「やりたいことがない」っていうのは、僕みたいに「やりたいこと」に導かれるような他人の人生を見たせいで、自分の中でハードルを上げちゃってるんじゃないですかね。そういうことじゃないんですよね。天賦の才なんてめったにないですから。誰しもが僕みたいに導かれないですから(笑)。

 

なんでもいいんですよ。手先が器用だねって言われたら、壺職人の修行をしてみればいい。思いつきですぐに手を出すのが絶対にいいですよ」

就活すること自体、立派な人の証

空を指差す野田クリスタル

 

────「これだ!」と思ったら、居ても立っても居られず、動き出すのが野田さんの才能かもしれません。中3でコンビを組み、高1で『学校へ行こう!』で優勝し、高校生芸人として吉本に所属。村上さんからの「コンビを組もう」という申し出にも、その場で快諾したそうです。

 

野田「初動はあらゆることにおいて速いです。やろうと思ったことに1週間空ける必要があるの? って。その場でパパっと調べて連絡するだけなんだし、「どうしよっかなー」って悩む前に、応募しちゃえばいい。NSCはメールの返信文が怖くて辞めましたけど(笑)。

 

それで失敗したら、「あ、今の嘘嘘嘘!」「今のミス! ちょっと修正してくるから!」と自分に言い聞かせるくらいの気持ちでいい気がします。

 

変身ポーズをとる野田クリスタル

 

僕も、自分のせいでウケなかったときなどは相当落ち込みますが、自分の悪いところが見つかるというのは、伸びしろがまだあるということなので、楽しいですよ。筋トレもそうですけど、僕は自分が成長するようにしか動いてないかもしれないです。野田クリスタルの育成ゲームです」

 

────“自分育成ゲーム”という視点が斬新! 野田さんは、自分が落ち込んだときや、自分を奮い立たせたいときに、何が効くかもプログラミングしているようです。

 

野田「落ち込んだときは、自然の動画を見て一回心を落ち着けよう、ですかね。僕もそんなに精神力が強い方じゃないので、膝から挫けそうなときは、『やってられねえ』ってときなので、自然の動画を見ます(笑)。『僕もいくとこまでいってみてえな』、というときは、松本さんの『ビジュアルバム』というコント集とか、松本さん企画の番組を見ることが多いと思います。テンションが上がるので」

 

────「野田ゲー」「筋トレ」という、お笑い以外の「好き」を「仕事(ビジネス)」にしたことで、お笑いに高い純度で向き合えるようになった野田さん。そんな彼が思い描く未来とはどのようなものなのでしょうか。

 

野田クリスタルコメント

 

野田「村上は僕とまったく価値観が一緒で、目指せ隠居生活!  なんです。ストレスとは無縁の、好きなものに囲まれたのんびりとした暮らしです。『嫌なことが無い人生じゃなきゃ生きてる意味がない」ってお互いに言ってますよ(笑)。嫌なことをやっときゃあ、最終地点にいけるのなら、もちろんやります。それが今ですし。でも最近は、隠居生活という最終地点があるとして、その過程をもう少し楽してやれるのかもしれないなっていう余裕が出てきました。

 

羽ばたいている野田クリスタル

 

キングオブコントも、今年がだめなら来年挑戦すればいいし。優勝したとしても、この先単独ライブを毎年やるので、ネタは作りますし。それ以外にやりたいことが生まれたら、またやり始めるんでしょうね」

 

────最後に就活生へのエールをお願いすると、「就活するということは、地獄に耐えられる人ですから、ちゃんと働いたことのない僕なんかより立派な人ですよ。きちんとした思想の人ですよ」と前置きした上で、スイッチを切り替えて、厳しい(ふりをした優しい)言葉を放ってくれました。

 

野田クリスタルコメント

 

野田「お前の人生、今のお前らごときが想定できる場所にはどうせいかないんだから、不安になんかなるな馬鹿! 図に乗るな! お前は天才か? どこに行ったって大して変わらんのじゃ! 好きなものがないのは、なんなら幸せだし、何回失敗してもなんとかなるから! だから安心して頑張れ!」

 

ベンチに腰掛けている野田クリスタル

 

────とことんまで、芸人としての道を突き進む野田クリスタルさん。そんなストイックな生き方に憧れる就活生の方も多いのではないでしょうか。

 

何回失敗してもなんとかなる! その気持ちだけは、忘れずに常に持ち続けたいものですね。

 

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(企画・編集:株式会社LIG / 取材・執筆:須永貴子/ 写真撮影:山越隼)

 

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