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自動車工場の溶接作業ってどんな仕事?仕事内容や職場環境、年収について詳しく解説
車体のパーツを熱によってくっつけて接合していくのが溶接工程です。マスクをした人が火花を散らせて作業している姿を思い浮かべる方もいるかと思いますが、自動車製造のような大量生産ではほとんどの作業は機械によって行われます。
自動車製造の溶接工程はどんな仕事?
プレス工程で成形した車体のパーツを、熱によってつなぎ合わせていく工程です。
骨格となるフレーム部分は、パーツも大きく溶接作業も大変なため、そのほとんどは最新のロボットによって自動で行われます。自動車の種類によって異なりますが、まずはインナーパネルを溶接で組み立て、次にアウターパネルを溶接し、最後にドアなどを溶接するのが一般的です。こうして車体の骨格が出来上がります。
このようにほとんどがロボットによって作業されるのですが、以下の作業は人の手によって行われます。
- ロボットが正常に作動しているかを点検する
ロボットを稼働する前の簡単な日常点検や、最初の操作などは人の手によって行われます。
- 細かい部品の取り付けは人の手で溶接する
溶接が必要な比較的小さな部品については、人の手で溶接を行います。溶接にはいろいろな方法がありますが、アーク溶接という放電現象によって発生する火花を利用した溶接方法で行うことが一般的です。
溶接作業をするには国家資格が必要になりますので、もし作業者として配属された場合は、指定の講習を受けて資格を取ってから現場に入ることになるでしょう。
- 仕上がり点検
最後に溶接がきちんと行われているか、人の手で検査します。もし溶接が不十分であれば、大きな問題に繋がることもあるため、この作業は熟練の検査員によって行われます。車体によっては2000カ所以上も溶接部位があるため、非常に細かなところまで必ず検査をしなければなりません。細かな条件にしたがって作業が行われたか、有資格者によって作
楽な面、きつい面
溶接作業を人の手で行うときに注意しなければならないのは、火花を長時間見ることで目がダメージを負ってしまうことです。もちろん、紫外線などの有害な光をカットするマスクをかぶって作業するので安全は保証されていますが、十分に注意して作業を行う必要があり、その点ではきついと言えます。
点検作業は比較的楽ではありますが、これも不十分な溶接を見逃すと大変なことになるので、注意力が必要な作業であることに変わりはありません。
収入は?
自動車製造工場で働く人の年収は、およそ400万円〜500万円がボリュームゾーンと言われています(「ニッケンで発見」編集部調べ)。
自動車製造の様々な工程の中でも、溶接作業は必ず資格が必要であるため、その分手当がついて収入が高くなる傾向にあります。溶接に関する資格はたくさんあり、多くのことができる人ほど評価も高くなります。
また溶接のテクニックは人それぞれで、上手な人ほど重宝されます。熟練の技術者であれば、自動車製造に限らずどのような現場でも引く手あまたとなります。
溶接に向いている人は?
溶接作業に向いているのは、細かい作業が好きな人です。最後の最後までしっかり溶接しなければならないので、細かな部分まで気を遣って作業を行ったり、検査ができる人が望まれます。
作業環境は?
自動車製造は全て屋内作業になるため、冷暖房完備になります。溶接は基本的に立ち仕事で、座るようなことはありません。危険なこととしては、溶接の熱と光があります。特に火花による光はマスクなしで決して見てはならず、マスクを通しても長時間見るのは良くないので、その点に十分注意して作業を行う必要があります。
派遣社員や期間従業員でも働ける?
資格が必要な重要工程ということもあり、ここは正社員で固めようとする工場が多いようです。しかし資格持ちの熟練作業者であれば、派遣社員や期間従業員でも正社員と同レベルの待遇で雇用されることもあります。
溶接にはどんな資格がある?
溶接は国家資格やそうでないものも含めてかなり多くの資格があります。自動車工場で必要になる溶接資格として、以下のものが代表的です。
- アーク溶接作業者
労働安全衛生法に基づいた国家資格です。放電による火花の熱によって溶接を行う溶接方法です。3日間の講習を受けることで取得できます。
- ガス溶接作業者
労働安全衛生法に基づいた国家資格です。ガスバーナーの熱によって溶接を行う方法です。2日間の講習を受けて試験に合格すれば取得できます。
- アルミニウム溶接技能車
アルミニウムを用いた合金を溶接するための技能や専門的な知識を保証する民間資格です。アルミニウム溶接はロボットではまだ難しい高い技術が必要な作業となることも多いため、自動車工場では需要が高まっているとされます。
基本級と専門級の2種類があり、基本級の試験に合格していなければ専門級を受験することはできません。ただし、一度に受験することができ、その場合は基本級の合格者のみ専門級を受験することができます。
まとめ
溶接工程ではほとんどは機械による自動作業になりますが、人が行う溶接作業もあります。専門性の高い技術や知識が求められるため、溶接資格を取ってから現場に配属されることになります。難しい作業ですが、資格を取って熟練作業者として経験を積めばどんな現場でも重宝される人材になれるため、積極的に挑戦するのも良いでしょう。
監修/細原敏之
高分子材料を利用した自動車電装部品の設計、製造、生産技術(設備設計、レイアウト検討)及び品質保証業務などを歴任し、トヨタ自動車関連のティア1サプライヤーであるデンソー、アイシン精機及び三菱電機株などを主要顧客とした業務の責任者を担当。その後、タイ・バンコックでの工場建設の代表取締役、発電所などの金属ガスケットやシール材などの開発・マーケティング担当を経て独立。工場の品質管理、生産管理及び労務管理の業務や、ISO審査員及び経営コンサルティング業務を開始し、現在に至る。
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