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2020/08/20

自動車製造の塗装工程ってどんな作業?仕事内容や職場環境、年収について詳しく解説

モノづくり

自動車の塗装は、美しいデザインをさらに引き立てるだけでなく、サビやホコリから車体を守る効果もあります。塗装は、自動車の製品としての価値を最大限にするために最も重要な工程と言ってもいいでしょう。自動車製造の塗装工程ではどのような作業を行うか、詳しく解説します。

自動車製造の塗装工程はどんな仕事?

車体を磨いたように美しくする塗装は、特殊な塗料を何重にも塗っていく工程になります。その多くは機械による自動作業になりますが、人の手による作業もあります。詳しい工程は次のようになります。

 

  • 電着塗装

電流を通しやすい塗料でいっぱいになったプールに車体をくぐらせて、電気を使って塗装します。まんべんなく塗装できるので、サビを防ぐ効果の高い塗料を塗ります。

 

  • シーラー塗装

電着塗装により下塗りを終えたら、鋼板のつなぎ目やすき間にシーラー塗装を行います。シーラーとは「シール・seal」=「接着する、塞ぐ」という意味で、水やホコリの侵入を防ぐためにすき間ができやすい部分を覆います。

 

  • 本塗り

カラー塗装を含む、本格的な塗装工程です。本塗りも複数の工程に分かれており、一番ベーシックなのは、中塗り、ベースカラー塗装、クリア塗装の3工程です。

中塗りはこれまでの塗装でできたデコボコを平らにするなど、以後の塗装をキレイに仕上げるための下地の塗装になります。

ベースカラー塗装は実際の車体のカラーとなる塗料を塗ります。

クリア塗装はキレイな光沢を出すための塗装です。

高級車ではさらにベースカラー塗装を重ね塗りした上で、擦り傷などを防ぐトップクリア塗装など、複数回の工程を加えることで、あの鏡のように美しいボディに仕上げます。

 

  • 検査

塗装が終わったら、ムラなく美しく仕上がっているか検査します。ここまでの塗装作業はほとんど機械による自動作業でしたが、ここからは人による作業です。

塗装は自動車の製品としての価値を大きく左右する大事な工程です。もし塗りにムラや歪みがあったら、それだけで価値を大きく損なってしまいます。そのため、検査員は社内認定制度によって資格を持った、熟練の検査員を配属することが多いです。

もしムラなどが見つかれば、それが簡単に修復できるものであれば、ポリッシャーと呼ばれる機械で磨き上げます。修復が難しい場合は、その車体は工程のやり直しとなります。

 

自動車製造のメッキとは?

塗装に似た作業にメッキがあります。メッキとは、部品を特殊な金属の膜で覆うことです。ドアノブやフロントグリルなどがピカピカに光り輝いていることがあるのは、メッキによって光沢を出しているからです。お客様の要望やオプション加工として、必要に応じて施されます。

メッキは必ずしも自動車工場で行われるわけではなく、別の会社に加工をお願いすることもあります。

楽な面、きつい面

塗装工程はほとんど機械が自動で作業を行うので、楽と言えます。きつい面としては、塗料はにおいが強いため、換気が悪い工場など、作業環境によっては苦手な人がいるようです。

 

収入は?

自動車製造工場で働く人の年収は、およそ400万円〜500万円がボリュームゾーンと言われています(「ニッケンで発見」編集部調べ)。

塗装の検査でわずかなムラなどを見つけて修復できるような熟練者であれば工場で重宝され、後輩の指導役として出世し、収入アップも見込めるでしょう。

塗装に向いている人は?

塗装の仕上がりは、手で触った感触や、光の反射などで見抜きます。わずかな歪みが製品価値を下げてしまうので、少しくらいブツブツがあっても気にしない、といった人は向いていないと言えるでしょう。細かい部分に気配りができる人が求められています。

作業環境は?

自動車工場は屋内作業のため、冷暖房が完備されています。塗料による臭いがきついという人もいますが、健康を害するようなことはないので安心して良いでしょう。

正社員に比べて派遣社員や期間従業員は多い?

他の工程よりも比較的作業の難易度が低く、国家資格が必要となる作業もないので、派遣社員や期間従業員が多い傾向にあります。検査員や修復作業として経験を重ねて熟練者になれば、重宝されて正社員に登用されることも少なくないようです。

まとめ

塗装は、自動車の美しさに直結するため製品価値を左右する大事な工程です。作業のほとんどは機械が行いますが、その作業の仕上がりを厳しい目線で検査して、わずかな塗りムラや歪みも許さない、細かい気配りができる人が求められている工程と言えるでしょう。

 

監修/細原敏之

高分子材料を利用した自動車電装部品の設計、製造、生産技術(設備設計、レイアウト検討)及び品質保証業務などを歴任し、トヨタ自動車関連のティア1サプライヤーであるデンソー、アイシン精機及び三菱電機株などを主要顧客とした業務の責任者を担当。その後、タイ・バンコックでの工場建設の代表取締役、発電所などの金属ガスケットやシール材などの開発・マーケティング担当を経て独立。工場の品質管理、生産管理及び労務管理の業務や、ISO審査員及び経営コンサルティング業務を開始し、現在に至る。

 

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