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2021/03/30

設備保全とは?種類や仕事内容、年収と将来性を考察!

モノづくり

工場内において作業を滞りなく進めるには、コンベアーや加工機など設備の正常な稼働が欠かせません。設備トラブルが起きれば、生産に支障が出るだけでなく、従業員の安全もおびやかされてしまいます。 そうした事態を避けるために存在するのが、「設備保全」の仕事です。工場の設備保全の仕事について、その業務内容や年収相場、未経験や高卒からでも始められるのか?など、仕事の概要に迫ります!

そもそも設備保全って何?

設備保全は世間一般との関わりがうすい職種なので、知らない方も多いでしょう。しかし、認知度こそ低いものの、設備保全は大変重要な役割を担っています

設備保全とは、工場の機械を安全に動かすために点検や修理をする仕事のことを指します。生産に関わる「4M(Man(作業者)、Material(原材料・部品)、Method(方法)、Machine(機械・設備))」でいうと、「Machine(機械)」に該当します。

 

設備保全の目的とは

設備保全の目的には、主に以下の2つがあげられます。

 

①機械の破損・トラブルを防ぐ

設備保全の目的には、まず「機械の破損・トラブルを防ぐ」という点があげられます。

 

どんなに売れ行きのよい製品や効率的な生産ラインがあっても、機械が壊れて正常に作動しなければ利益は生み出せません。また、機械の不調は、異物混入や不良品の産出などのリスクを増大させ、取引先や顧客へ影響を及ぼすばかりか、会社の信用失墜にもつながる可能性もあります。

 

さらに、機械が完全にストップしたともなれば、そのダメージは甚大です。復旧までに時間がかかればかかるほど、収益が下がる一方になってしまいます。

 

くわえて、大がかりな加工機やプレス機を扱う工場内での作業は、常に危険ととなりあわせです。設備不良により機械が誤作動を起こせば、人命に関わることさえあります。こうしたリスクを未然に防ぐため、機械が壊れてしまわないよう設備保全を実施しているのです。

 

②コストの削減

「コストの削減」も設備保全の目的のひとつです。

 

機械部品は、長く使用することで劣化し故障します。仮に部品が故障すると、機械の性能低下や誤作動につながりかねません。こうした事態を防ぐには、定期的に部品を交換する必要があるものの、頻繁に交換すると部品代(コスト)がかさんでしまいます。そうなると製品の販売価格を上げざるを得なくなり、売り上げの上昇が見込めなくなる可能性が考えられます。そこで、役立つのがまさに設備保全です。機械を点検・修理することで部品の破損を防ぎやすくなり、結果として部品交換にかかるコストを削減できます。

 

設備保全はきついって本当?仕事内容と種類について

工場の設備保全業務には、「事後保全」「予防保全」「予知保全」の3つがあります。設備の点検・修理をするという点は共通していますが、そのタイミングや方法が異なります。

 

事後保全

機械や設備の故障や不具合が生じてから行う保全活動が「事後保全」です。従来は、この事後保全が中心に行われていました。しかし、壊れてから直していたのでは修理費がかさむことに加え、正常に作動しない設備下での業務は事故などのリスクも高まります。

 

予防保全

事後保全のリスクを踏まえて、不具合が生じる前に予防的・計画的に行う方法が「予防保全」です。

予防保全には、一定期間経った部品を交換する「時間基準保全」と、劣化の進み具合に応じて交換する「状態基準保全」の2種類があります。いずれも本来交換不要な部品まで交換するケースが生じるため、どうしても無駄が多くなってしまいます。

 

予知保全

事後保全と予防保全のデメリットをふまえて考えられたのが「予知保全」です。予知保全とは、設備の性能低下など状況に応じて行う保全活動のこと。設備の状態を定常的に監視し、不具合の兆しが見られたときに対応することから、「状態監視保全」とも呼ばれます。

 

予知保全は事後保全や予防保全と異なり、不具合が発生する直前で修理や部品交換を行うため、無駄を最小限に抑えることができます。近年注目されている方法であり、IoTの発達にともなって導入する会社が増えています。

 

脱水症状を機械の故障にたとえるなら、「気温が30度を越えたら30分おきに給水」が予防保全、「頭痛など、脱水症状の兆しが現れたら給水」が予知保全に該当すると考えてさしつかえないでしょう。

 

「きつい」と言われることもある設備保全の仕事は、現場の無駄を削減したり、事故のリスクを回避したりなど、縁の下の力持ちのような役割を担います。仕事を単調に感じ「きつい」と評されることもありますが、設備保全の仕事には向き・不向きがあり、「楽しい」と感じながら取り組んでいる人もいます。

 

>>【関連記事】設備保全はきつい?向いている適性を紹介!将来性と年収から「楽しい」の声も

設備保全の特徴には何がある?

設備保全の特徴には、主に以下の3つがあります。

 

工場の監督官であり陰の功労者でもある

設備保全の担当者は、いわば「工場の監督官であり影の功労者」です。裏方ではあるものの、工場が滞りなく稼働するための重要な役割を担っています。

 

従業員の安全を確保する

工場内では加工機やプレス機など、大がかりな機械を扱うこともあり、常に危険ととなりあわせです。万が一、設備不良により機械が誤作動を起こせば、怪我につながる可能性があるほか、最悪の場合は人命に関わることも考えられます。こうした危険から従業員を守るのも、設備保全の重要な役割のひとつです。

 

商品の安定的な供給のために欠かせない

機械に不具合が生じた場合、商品を安定的に供給できなくなってしまいます。また、たとえ安定して供給できたとしても品質に問題が出てくる可能性が考えられます。こうしたトラブルを起こさないためには設備保全が欠かせず、機械に問題が生じていないか常に監視する必要があります。

設備保全の魅力や年収事情は?

「工場の監督官」とでもいうべき設備保全ですが、仕事の魅力や賃金はどうなっているのでしょうか。
設備保全の実態について掘り下げていきます。

 

魅力ややりがい

設備保全の一番のやりがいは、トラブルにうまく対処できたときに得られる達成感でしょう。ときおり入る監査などで、設備保全状況を高く評価されたときにも喜びを感じます。
いずれも些細(ささい)なことのようですが、「自分がこの工場の安全を守っている」という誇りが、仕事へのモチベーションにもなるのです。

 

厳しさもある

設備保全は、工場業務のなかでも頭を使う仕事として人気も高いですが、厳しい側面も少なくありません。
機械トラブルが発生した際には、昼夜問わず対応しなければならないため、夜遅くに呼び出される日もあります。これも、トラブルの解決には設備保全の対応が不可欠だからこそのこと。設備保全は、いざというときに頼りにされる仕事でもあるのです。

 

給与は条件による

設備保全職の給料は、勤務先や能力などによって大きく異なります。
平均年収は426万円ですが、全体の幅は296〜722万円とかなり開きがあります。平均年収は他業種より低いものの、条件次第では大きな収入を得ることも可能です。もちろん高いスキルを持つ人には、相応の対価が与えられます。

 

スキルをアップするには

実のところ、設備保全の仕事を辞めたいと考える方の理由の多くは「ついていけない」こと、すなわちスキル不足です。ただまん然と、惰性で取り組んでいたのではスキル向上は期待できません。スキルを上げるためには、自分なりに勉強する必要があります。

 

たとえば、「機械保全技能士」「設備管理士」といった資格を取得する、あるいは研修会に参加するなど、能動的な姿勢が大切です。資格取得後は相応の手当がつくケースも多く、セミナーの参加費や受講料など講習にかかる費用を雇用主が負担する場合もあります。同じ失敗を繰り返さないようミスしたことを記録に残すなど、日々の業務のなかでスキル向上を意識するだけでもずいぶんと違うでしょう。

設備保全に向いている人とは

上述のとおり、設備保全は工場の業務に欠かすことのできない重要な仕事です。では、どのような人が設備保全に向いているといえるのでしょうか。

 

責任感のある人

設備保全職は、工場設備の監督官ともいえる立場です。このほど大手製造業のデータ不正がたて続けに明るみになっていますが、製品はもちろん、企業自体への信頼が設備保全の手にかかっています。そのため、責任感を持って業務にあたれることは最低限必要な条件です。

 

忍耐強い人

毎日ほとんど同じ作業の繰り返しになりますので、辛抱強くコツコツこなせる忍耐力が必要となります。日々の作業に飽きることなく、「こうしたほうが業務スピードが上がるな」などやりがいを持って続けられる人が向いているといえるでしょう。

 

まじめな人

設備保全の業務に、やり過ぎはありません。石橋をたたいて渡るつもりで、「この間点検したばかりだけど、心配だから再度確認しておこう」と、いつでも手を抜かずに従事する姿勢が求められます。

 

機械好きである人

設備保全の業務において、その時間の多くは機械と関わっています。そのため、機械が好きな人は設備保全に向いているといえます。

 

柔軟な対応力のある人

工場の機械が突発的にトラブルを起こすことは、決してゼロではありません。この場合、原因の解明から問題の解決まで迅速に対応する必要があります。そのため、設備保全には「どのようなトラブルが起こっても臨機応変に対応できる力」が求められます。また上述したように、機械に何らかのトラブルが発生した際は昼夜問わず対応しなくてはならないことも。そのため、設備保全には柔軟な対応力のある人が向いているといえます。

設備保全に活かせる資格

設備保全には、必ずしも資格が必要というわけではありませんが、取得しておくことで仕事に活かすことが可能です。

 

機械保全技能士

機械保全技能士はその名のとおり、機械の保全に関する知識や技術の習得を証明できる資格です。特級・1級・2級・3級に区分されており、特級を除く1級〜3級は選択作業別で試験が行われます。1級・2級は「電気系保全作業」「機械系保全作業」「設備診断作業」、3級は「電気系保全作業」「機械系保全作業」です。

 

>>【関連記事】機械保全技能士とは?仕事内容・資格取得のメリットを紹介!

 

電気工事士

電気設備を扱う場合は、一定の資格がなければ対応してはならないと法令で定められています。そのため、「電気設備に携わりたい」という想いがある方は電気工事士の資格を取得しましょう。電気工事士の資格は、第一種と第二種の2種類に分かれています。第一種に合格すると、第二種の範囲にくわえて、最大電力500キロワット未満の工場やビルなどの工事を対応することができます。第二種に合格すれば、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に対応することが可能です。

 

電気主任技術者

電気主任技術者は、電気設備の保安に関する知識・技術の習得を証明できる資格です。第一種・第二種・第三種の3つに区分されており、それぞれで取り扱える電圧が異なります。第一種に合格すれば、すべての事業用電気工作物を取り扱えるようになります。第二種に合格した場合は、電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物が対象です。第三種に合格すると、出力5千キロワット以上の発電所を除いた電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物を扱えるようになります。

設備保全の将来性は?

設備保全の仕事は重要な役割を担っているとはいえ、「いつかなくなってしまうのではないか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

 

結論からいうと、設備保全の仕事がなくなることはありません。なぜなら、機械化が進む昨今において、これからますます重要な役割を担うためです。機械化が進むということは、それだけトラブルが起こる可能性も高いということ。機械トラブルは人の手を介して対処していかなければならないため、設備保全の仕事の需要は今後さらに高まっていくといえます。

トラブルを解決できたときの達成感はひとしお

設備保全の一番のやりがいは、トラブルの原因を突き止め、うまく対処できたときに込みあげてくる達成感です。設備保全ならではの作業により、修理のスキルはもちろん、推測力・考察力・想像力が身につく点も魅力のひとつ。

 

難しそうに思えるかもしれませんが、設備保全の仕事は高卒や未経験からでも始められます。興味があれば、チャレンジしてみる価値は大いにあるといえるでしょう。