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2019/09/06

陰の功労者!工場の設備保全の種類とは!予防保全・予知保全って?

モノづくり

工場内において作業を滞りなく進めるには、コンベアーや加工機など設備の正常な稼働が不可欠です。設備トラブルが起きれば、生産に支障が出るだけでなく、従業員の安全もおびやかされてしまいます。 そうした事態を避けるために存在するのが、「設備保全」の仕事です。工場の設備保全の仕事について、その業務内容や給与相場などを紹介します。

工場の設備保全とはどんな仕事?

設備保全は世間一般との関わりのうすい職種なので、知らない人も多いでしょう。しかし、認知度こそ低いものの、設備保全は大変重要な仕事です。
工場の機械を安全に動かすために、点検や修理をする工場の設備保全とは、工場の機械を安全に動かすために点検や修理をする仕事のことを指します。

どんなに売れ行きのよい製品や効率的な生産ラインがあっても、設備が正常に作動しなければ利益は生み出せません。

設備の不調は、異物混入や不良品の産出などのリスクを増大させ、取引先や顧客へ影響を及ぼすばかりか、会社の信用失墜にもつながりかねません。
機械が完全にストップしたともなれば、そのダメージは甚大です。復旧までに時間がかかればかかるほど、収益が下がる一方になってしまいます。
また、大がかりな加工機やプレス機を扱う工場内での作業は、常に危険ととなりあわせです。設備不良により機械が誤作動を起こせば、人命に関わることさえあります。
設備保全は、一見すると地味な仕事ですが、設備だけでなく会社の信用や従業員の安全も守る、大変重要な仕事といえるのです。

 

「保全」と似た言葉に、「保守」や「メンテナンス」があります。これらはどう違うのでしょうか。

まず保全は、「保護して安全を守る」という意味で、いわば「攻めのチェック」です。
次に保守は、「正常な状態を保つ」ことをいいます。正常な状態が損なわれないようにすることで安全につなげる、「守りのチェック」といったところでしょう。

最後にメンテナンスは、正常な状態を保つための維持管理を指します。正しく動作する状態を保つというニュアンスが強く、保守とほぼ同意です。

 

「事後保全」と「予防保全」、「予知保全」
工場の設備保全業務には、「事後保全」「予防保全」「予知保全」の3つがあります。設備の点検・修理をするという点は共通していますが、そのタイミングや方法が異なります。

  • 事後保全とは
    機械や設備の故障や不具合が生じてから行う保全活動が「事後保全」です。従来は、この事後保全が中心に行われていました。しかし、壊れてから直していたのでは修理費がかさむことに加え、正常に作動しない設備下での業務は事故などのリスクも高まります。
  • 予防保全とは
    事後保全のリスクを踏まえて、不具合が生じる前に予防的・計画的に行う方法が「予防保全」です。
    予防保全には、一定期間経った部品を交換する「時間基準保全」と、劣化の進み具合に応じて交換する「状態基準保全」の2種類があります。いずれも本来交換不要な部品まで交換するケースが生じるため、どうしても無駄が多くなってしまいます。
  • 予知保全とは
    事後保全と予防保全のデメリットをふまえて考えられたのが「予知保全」です。
    予知保全とは、設備の性能低下など状況に応じて行う保全活動のこと。設備の状態を定常的に監視し、不具合の兆しが見られたときに対応することから、「状態監視保全」とも呼ばれます。
    予知保全は事後保全や予防保全と異なり、不具合が発生する直前で修理や部品交換を行うため、無駄を最小限に抑えることができます。近年注目されている方法であり、IoTの発達にともなって導入する会社が増えています。

 

脱水症状を機械の故障にたとえるなら、「気温が30度を越えたら30分おきに給水」が予防保全、「頭痛など、脱水症状の兆しが現れたら給水」が予知保全に該当すると考えてさしつかえないでしょう。

「工場の監督官」 設備保全の魅力や給与事情は

「工場の監督官」とでもいうべき設備保全ですが、仕事の魅力や賃金はどうなっているのでしょうか。
設備保全の実態について掘り下げていきます。

 

魅力ややりがい
設備保全の一番のやりがいは、トラブルにうまく対処できたときに得られる達成感でしょう。ときおり入る監査などで、設備保全状況を高く評価されたときにも喜びを感じます。
いずれも些細(ささい)なことのようですが、「自分がこの工場の安全を守っている」という誇りが、仕事へのモチベーションにもなるのです。

 

厳しさもある
設備保全は、工場業務のなかでも頭を使う仕事として人気も高いですが、厳しい側面も少なくありません。
機械トラブルが発生した際には、昼夜問わず対応しなければならないため、夜遅くに呼び出される日もあります。これも、トラブルの解決には設備保全の対応が不可欠だからこそのこと。設備保全は、いざというときに頼りにされる仕事でもあるのです。

 

給与は条件による
設備保全職の給料は、勤務先や能力などによって大きく異なります。
平均年収は426万円ですが、全体の幅は296〜722万円とかなり開きがあります。平均年収は他業種より低いものの、条件次第では大きな収入を得ることも可能です。もちろん高いスキルを持つ人には、相応の対価が与えられます。

 

スキルをアップするには
実のところ、設備保全の仕事を辞めたいと考える人の理由の多くは「ついていけない」こと、すなわちスキル不足です。ただまん然と、惰性で取り組んでいたのではスキル向上は期待できません。スキルを上げるためには、自分なりに勉強する必要があります。
たとえば、「機械保全技能士」や「設備管理士」といった資格を取得する、あるいは研修会に参加するなど、能動的な姿勢が大切です。資格取得後は相応の手当がつくケースも多く、セミナーの参加費や受講料など講習にかかる費用を雇用主が負担する場合もあります。
同じ失敗を繰り返さないようミスしたことを記録に残すなど、日々の業務のなかでスキル向上を意識するだけでもずいぶんと違うでしょう。

どんな人が向いている?

上述のとおり、設備保全は工場の業務に欠かすことのできない重要な仕事です。では、どんな人が設備保全に向いているといえるのでしょうか。

 

責任感のある人
設備保全職は、工場設備の監督官ともいえる立場です。このほど大手製造業のデータ不正がたて続けに明るみになっていますが、製品はもちろん、企業自体への信頼が設備保全の手にかかっています。そのため、責任感をもって業務にあたれることは最低限必要な条件です。

 

忍耐強い人
毎日ほとんど同じ作業の繰り返しになりますので、辛抱強くコツコツこなせる忍耐力が必要となります。日々の作業に飽きることなく、「こうした方が業務スピードが上がるな」などやりがいをもって続けられる人が向いているといえるでしょう。

 

まじめな人
設備保全の業務に、やり過ぎはありません。石橋をたたいて渡るつもりで、「この間点検したばかりだけど、心配だから再度確認しておこう」と、いつでも手を抜かずに従事する姿勢が求められます。

トラブルを解決できたときの達成感はひとしお

設備保全の一番のやりがいは、トラブルの原因を突き止め、うまく対処できたときに込みあげてくる達成感です。設備保全ならではの作業により、修理のスキルはもちろん、推測力・考察力・想像力が身につく点も魅力のひとつ。難しそうに思えるかもしれませんが、設備保全の仕事は未経験でも始められます。

興味があれば、チャレンジしてみる価値は大いにあるといえるでしょう。